城上郷(読み)きのかみごう

日本歴史地名大系 「城上郷」の解説

城上郷
きのかみごう

和名抄」所載の郷で、同書高山寺本など諸本とも訓を欠く。天平二〇年(七四八)四月二五日の智識優婆塞等貢進文(正倉院文書)海上うなかみ城内きのうち郷とみえ、戸主大弓削良戸口の大弓削若万呂(二九歳)出家を出願している。これにより城上郷は城内郷の誤記か、同一のものであろうとする説がある(大日本地名辞書)。城内であればキウチまたはキノウチであり、応保二年(一一六二)六月三日の大禰宜実房譲状(香取文書)にみえる木内きのうち郷につながるものとみられ、さらに中世木内庄、江戸時代の木之内きのうち(現小見川町)として郷名が継承されたと考えられる。

城上郷
きのかみごう

「和名抄」に「城上」と記され、訓を欠く。「新編常陸国誌」に「按ズルニ、本郡十八郷ノ内、十七郷ハ、其所在ヲ知ルコトヲ得タリ、城上郷ニ至テ、其名亡シテ伝フル所ナシ、然レドモ、村里ヲ諸郷に分隷シテ後、オノヅカラコノ郷ノアル所ヲ得タリ、即府中ノ西南辺、宍倉以西ノ地ナリ」とあり、比定地は定かでないが、郷域は現新治にいはり郡千代田村上志筑かみしづく・中志筑・下志筑・横堀よこぼり東野寺ひがしのでら・西野寺・新治上土田かみつちだ・下土田飯田いいだ、石岡市三村みむら一帯とされる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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