城川町(読み)しろかわちよう

日本歴史地名大系 「城川町」の解説

城川町
しろかわちよう

面積:一二六・七二平方キロ

東宇和郡東部、高知県境にあり、ひじ川支流の黒瀬くろせ川上流域を占める。中世以来の周智すち郷の地の大部分にあたり、近世では宇和島藩の十組支配における山奥組の地域にほぼ該当する。江戸初期からの楮による和紙(とくに仙貨紙)の製造と、江戸中期からのはぜによる木蝋の製造は特産である。このような商業的農業の展開のなかで土居どいのような在町も発達し、黒瀬川や肱川水運も盛んであった。現在、黒瀬川沿いに国道一九七号が通じ、緩やかな河岸段丘上に集落や耕地が展開している。

東宇和郡には中生代古生代の化石が多いが、なかでも城川町魚成うおなしの下部三畳紀の化石は、全国的にも類例をみない。シルル紀の化石も発見され、窪野くぼの三滝火成岩類は四億一千万年前以上とされ、寺野てらの変成岩類は世界最古の岩石と考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android