日本歴史地名大系 「城跡記」の解説
城跡記
じようせきき
一冊
写本 国立国文学研究資料館史料館所蔵「徴古雑抄続編」ほか
解説 小杉榲邨が流布本を謄写した写本によると、名東郡一八・名西郡一三・麻植郡一三・美馬郡六・三好郡一〇・阿波郡一二・板野郡二〇・勝浦郡一八・那賀郡三〇・海部郡九の計一四九城について城主(主将)名・家紋・落城年代などを簡略に記載する。作者・成立年代などは不明であるが、しだいに改訂されて現在流布する内容になったとみえ、小杉榲邨書写本末尾には「都而城跡百二十八 廿八本城、百出城」と記載する異本もあることが記載される。成立年代を知る手掛りとしては寛文四年に廃された板西郡・板東郡・以西郡・那西郡・那東郡がなく、それぞれ板野郡・名東郡・那賀郡となっていることから、早くとも寛文四年以後に成立したものと考えることができる。なお類書に「故城記」などがある。
活字本 「阿波国徴古雑抄」
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報