知恵蔵 「堀内元」の解説
堀内元
7歳から両親のもとでバレエを始め、80年にローザンヌ国際バレエコンクールでローザンヌ賞と振付賞を受賞、そのスカラシップで、16歳でアメリカンバレエスクール(SAB)に留学。82年、ジョージ・バランシンに認められて、日本人で初めてニューヨーク・シティ・バレエ団(NYCB)に入団。東洋人として初のプリンシパルにのぼりつめ、バランシンの愛弟子として数々の作品を踊る。一方、ブロードウェー・ミュージカル『ソング&ダンス』や『キャッツ』に出演、日本の劇団四季にも特別出演している。98年の長野オリンピックでは、開会式の振り付けを手がけた。NYCBの40歳の定年を待たず、99年にセントルイス・バレエ芸術監督に就任。自らも出演しながら、ダンサー7人ほどの小さなバレエ団だったものを二十数名のダンサーを抱えて古典全幕バレエのレパートリーも多数持つカンパニーへと、規模、実力ともに大きく成長させている。1人アメリカに渡り、周囲に日本人などがいない中、踊りを認められるべく日々練習を重ね実績を積んだ努力家で、完全主義でもある。きれい好きで愛犬家。休日もジムトレーニングや水泳で体を動かしている。日本では、夏のバカンス中に、定期的にワークショップ指導を行うとともに、2010年からは兵庫県立芸術文化センターで、『堀内元バレエUSA』として、自らの振り付け作品や踊りを披露している。
(菘(すずな)あつこ フリーランス・ライター / 2012年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報