堀内元(読み)ほりうちげん

知恵蔵 「堀内元」の解説

堀内元

1964年8月29日生まれ、東京都出身のバレエダンサー、振付家。現・セントルイス・バレエ芸術監督。父母はユニークバレエシアターを主宰する堀内完と堀内(旧姓:都築)秀子。完は貝谷バレエ団、秀子は東勇作門下の元バレエダンサー。姉のかおりは、ユニークバレエシアターの活動の傍ら、熊川哲也率いるKバレエカンパニーの初期の「バレエ・ミストレス」(ダンサー達に上演作品等を指導する立場の女性教師)も務めた。双子の弟である充も振付家として活動するとともに、大阪芸術大学舞台芸術学科准教授を務めている。
7歳から両親のもとでバレエを始め、80年にローザンヌ国際バレエコンクールでローザンヌ賞と振付賞を受賞、そのスカラシップで、16歳でアメリカンバレエスクール(SAB)に留学。82年、ジョージ・バランシンに認められて、日本人で初めてニューヨーク・シティ・バレエ団(NYCB)に入団。東洋人として初のプリンシパルにのぼりつめ、バランシンの愛弟子として数々の作品を踊る。一方、ブロードウェー・ミュージカル『ソング&ダンス』や『キャッツ』に出演、日本の劇団四季にも特別出演している。98年の長野オリンピックでは、開会式の振り付けを手がけた。NYCBの40歳の定年を待たず、99年にセントルイス・バレエ芸術監督に就任。自らも出演しながら、ダンサー7人ほどの小さなバレエ団だったものを二十数名のダンサーを抱えて古典全幕バレエのレパートリーも多数持つカンパニーへと、規模、実力ともに大きく成長させている。1人アメリカに渡り、周囲に日本人などがいない中、踊りを認められるべく日々練習を重ね実績を積んだ努力家で、完全主義でもある。きれい好きで愛犬家。休日もジムトレーニングや水泳で体を動かしている。日本では、夏のバカンス中に、定期的にワークショップ指導を行うとともに、2010年からは兵庫県立芸術文化センターで、『堀内元バレエUSA』として、自らの振り付け作品や踊りを披露している。

(菘(すずな)あつこ  フリーランス・ライター / 2012年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「堀内元」の解説

堀内元 ほりうち-げん

1964- 昭和後期-平成時代の舞踊家
昭和39年8月29日生まれ。7歳からバレエをはじめ,牧阿佐美師事。昭和55年ローザンヌ国際バレエコンクール・スカラシップおよび振付賞を受賞し,スクール-オブ-アメリカン-バレエに留学。58年ニューヨーク-シティー-バレエ団に日本人としてはじめて入団。「真夏の夜の夢」などで好評を博し,平成元年同バレエ団のプリンシパル(第一舞踊手)となった。11年セントルイス・バレエ団芸術監督,セントルイス・バレエスクール校長となる。27年「堀内元バレエUSA V」で芸術選奨文部科学大臣賞。東京都出身。

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