日本歴史地名大系 「塔の宮廃寺」の解説 塔の宮廃寺とうのみやはいじ 奈良県:奈良市都南地区山村塔の宮廃寺[現在地名]奈良市山町山(やま)町の北東、御霊(ごりよう)神社の境内に数個の礎石があり、古瓦も出土し、古代の寺院跡とされる。礎石は円形の柱座を造出したもののほか、径約六〇センチ、深さ約二五センチの円孔を刻んだ塔の心礎とみられるものも一個遺存する。出土の古瓦のうち、複弁蓮華文、周縁に鋸歯文をめぐらす軒丸瓦の破片は白鳳時代のもので、寺院の創建は七世紀後半にさかのぼるものと推定される。ほかに鎌倉時代頃までの軒平瓦・軒丸瓦も出土。「大和志」に「廃大楽院在山村東八島寺子院」とある大楽院跡とみられるが、所在地から大宅氏の氏寺跡ではないかとの説もある。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by