朝日日本歴史人物事典 「塙直政」の解説
塙直政
生年:生年不詳
戦国時代の武将。塙右近大夫の子。通称九郎。左衛門尉,備中守。はじめ重友と名乗る。織田信長の重臣で,天正1(1573)年2月足利義昭が蜂起したとき松井友閑らと共に京都で和平交渉を行い,翌年5月には山城守護に任ぜられ槙嶋城(宇治市)城主となる。同3年3月には柴田勝家の跡を襲って大和多聞山城(奈良市)城主となり,大和守護をも兼ねた。この年末信長の命で原田と改姓。翌年4月より大坂の石山本願寺を包囲攻撃した。しかし5月3日,三津寺荘において門徒軍の砲撃にあい戦死。直政の山城大和守護就任は,信長が室町幕府の継承を明らかにしたことを証するものとして重要。
(今谷明)
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