日本大百科全書(ニッポニカ) 「塩ざけ」の意味・わかりやすい解説
塩ざけ
しおざけ
サケの塩蔵品。塩引きと新巻(あらまき)に分けられる。塩引きはカラフトマス、サクラマス、シロザケなどを用い、散塩(ふりじお)漬けする古くからある方法。すなわち、サケの内臓を除き水洗(すいせん)、水切り後、腹腔(ふくこう)やえらに食塩を詰め、莚(むしろ)の上に並べ、合い塩をしながら山積みにし、莚で覆い数日置く。食塩の添加量はサケの35~38%になり、切り身中の食塩量も8%ぐらいとなるので保存性はあるが塩辛く、消費者の好みにあわない。新巻はシロザケ、ベニザケ、マスノスケなどを用いる。タンクに軽く塩をふったサケを詰め、さらに飽和食塩水を加えて1~2日置き、水切り後、腹に食塩を塗り付け箱詰めにする。使用食塩量は15%程度。切り身の食塩量は6%以下なので保存性がなく、冷蔵庫に貯蔵する。沖でとれた銀白色のものや産卵のため沿岸に寄ってきたばかりの婚姻色の薄いものがうまく、川に入り、婚姻色の強く出たものはまずい。
[金田尚志]