化学辞典 第2版 「塩化ケイ素」の解説
塩化ケイ素
エンカケイソ
silicon chloride
SiCl4,Si2Cl6がもっとも普通の化合物.そのほかSi3Cl8,Si4Cl10,Si5Cl12などが知られている.ケイ素と塩素を加熱して反応させるか,ケイ化カルシウムに塩素ガスを作用させてつくる.
CaSi + 2Cl2 = SiCl4 + Ca
容易に加水分解し,シラノール,ジシロキサン,ポリシロキサンを生じる.エタノール,フェノールと反応してケイ酸エステルを生じる.ケイ素,オルガノシラン,ケイ酸エステル,有機ケイ素化合物の製造原料として重要である.【Ⅰ】四塩化ケイ素:SiCl4[CAS 10026-04-7]【Ⅱ】六塩化二ケイ素:Si2Cl6(268.89).融点-1 ℃,沸点145 ℃.六フッ化二ケイ素の製造,シリコン窒化膜の製造などに用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報