日本大百科全書(ニッポニカ) 「塩安ソーダ法」の意味・わかりやすい解説
塩安ソーダ法
えんあんそーだほう
modified solvay process
ソーダ灰(無水炭酸ナトリウム)の製造法であるアンモニアソーダ法の改変法の総称。ソーダ灰と肥料用の塩安(塩化アンモニウム)を併産し食塩の利用率をあげている。アンモニアソーダ法では重曹(炭酸水素ナトリウム)を分離したのち、母液からアンモニアを回収循環しているが、塩安ソーダ法では母液にアンモニアを吸収させて溶存している重曹の析出を抑え、ついで食塩を添加溶解させたのち冷却して塩安の溶解度を下げ、塩安を析出させる(冷却法、塩安ソーダ法の代表的な方法)。塩安ソーダ法は、アンモニア合成工業からアンモニアと副生炭酸ガスの供給を受けることによって、アンモニアソーダ法の合理化を図ったもので、日本で開発され1950年(昭和25)ごろから実施されている。
[塩川二朗]