塩素中毒(読み)えんそちゅうどく(英語表記)chlorine poisoning

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「塩素中毒」の意味・わかりやすい解説

塩素中毒
えんそちゅうどく
chlorine poisoning

塩素ガス毒性が強く,0.01‰で特有の塩素臭を発し,濃度1‰のガスを5分間吸入すると死亡するほどである。中毒症状はまず,のどや気管の痛みと筋肉のけいれんを起す。流涙,くしゃみ,咳,のどの灼熱感が起り,0.1~1.0‰の濃度では肺水腫を起して,呼吸困難,窒息感をきたす。呼吸脈拍が増加し,ついには虚脱に陥る。高濃度では昏睡から死にいたる。応急処置は,ただちに換気し,酸素吸入,水蒸気吸入を行い,肺水腫には瀉血,強心剤を使用し,水分欠乏には輸液を行う。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android