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輸液 ゆえき transfusion

翻訳|transfusion

7件 の用語解説(輸液の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

輸液
ゆえき
transfusion

体液や栄養の補給を目的として,大量の液を静脈内または皮下に注入すること。生理食塩液リンゲル液,高張ブドウ糖液など,種々の人工溶液があり,患者の状態に応じた方法で行われる

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デジタル大辞泉の解説

ゆ‐えき【輸液】

[名](スル)水分・電解質栄養素などを、点滴静脈注射などにより投与すること。また、その液。

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百科事典マイペディアの解説

輸液【ゆえき】

ショック脱水症,低栄養状態などに対し,血液と等浸透圧の大量の液体を消化管以外の経路から注入すること,またはそれに用いる液体(これは輸液剤とも)。生理的食塩水リンゲル液,その他各種の電解質液,栄養補給の目的ではブドウ糖液,果糖液などが用いられる。
→関連項目救急救命士帯状疱疹注射腸閉塞凍傷白色便性下痢症

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栄養・生化学辞典の解説

輸液

 治療の目的で比較的大量の水溶液を血中に直接注入すること.

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世界大百科事典 第2版の解説

ゆえき【輸液 fluid transfusion】

液体を消化管以外の経路から大量に体内に注入すること,またはそれに用いる液体をいうが,後者は輸液剤ともいう。注入経路は主として静脈内であるが,皮下に注入することもある。静脈内への輸液は点滴または点滴注射intravenous drip infusionという。点滴はかつてはガラス製の点滴瓶にゴム管を連結したものを用いたが,最近では使い捨て可能なプラスチック製の輸液セットに輸液瓶をつないだ装置が用いられる。

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大辞林 第三版の解説

ゆえき【輸液】

( 名 ) スル
水分や電解質・栄養素などを、体液補給、電解質バランスの補正、栄養補給などの目的で非経口的に投与すること。また、その液。通常、静脈への点滴注射によって行う。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

輸液
ゆえき
infusion therapy

非経口的経路(非経腸的経路。おもに静脈内)に大量の人工溶液を持続的に注入補給する治療手段の総称である。また、この人工溶液をさして輸液ともいうが、ここでは混乱を避けるため、後者については、輸注液と称することとする。なんらかの病的状態、すなわち疾病、外傷、手術などのために、経口的(経腸的)に水分、電解質(塩類)、熱量、栄養素を摂取することができなくなった生体に、それらを経静脈的に補給するのが輸液であるが、その歴史はきわめて古い。[平井慶徳]

輸液の歴史

静脈内への薬剤投与の可能性は、1616年のW・ハーベーによる血液循環の発見に源を発するといわれている。そのほぼ40年後の1656年にイギリスのクリストファー・レンChristopher Wren(1632―1723)が、イヌの静脈内に羽軸針(うじくばり)を用いてアヘンを溶解したビールを輸注するという実験を行っている。これ以降、さまざまな人がこの手法を人体に応用することを試みたが、滅菌法、発熱物質の除去についての知識のなかった当時では悲惨な結果に終わっていた。ところが1831年にヨーロッパで大流行したコレラの死因のほとんどが、激しい下痢による脱水であることに気づいたラーターA. Lattaは、コレラ患者の静脈内に食塩水を輸注することによって顕著な成果をあげた。静脈内注射の最初の試みからおよそ150年を経て、輸注の臨床効用が明らかとなったわけである。しかし、依然として当時においては、細菌感染についての十分な知識がなく、消毒の概念も確立されていなかったため、静脈内注射にはまだ多くの危険が伴っていた。その後1861年パスツールによって細菌学が確立され、1867年、リスターによって消毒法が開発されるなどを経て、静脈内注射すなわち輸液は、近代医療における重要な治療法の一つとしてしだいに注目されるようになり、多くの研究が加わって発展した。さらに第二次世界大戦を迎えると、水分電解質輸液(塩類輸液)の重要性に対する認識が完全に確立した。日本でも、当時の軍陣医学において多くの研究がなされたようである。したがって、治療法の一つとしての「輸液」の真の発展普及は同大戦終了後ということになり、今日、実地医療の場では不可欠の治療手段の一つとなっている。
 このような発展過程からも明らかなように、一般に、単に「輸液」という場合には、水分電解質(塩類)の非経口的補給を意味していることが多い。したがって、包括的には輸液ということばの範疇(はんちゅう)に入れられるが、その目的とするところが栄養補給である場合には「栄養輸液」とよばれ、血漿(けっしょう)浸透圧維持のために血漿あるいは代用血漿が投与される場合には「血漿輸液」「代用血漿輸液」などと称される。[平井慶徳]

水分電解質輸液

水分電解質輸液は、維持輸液、修復輸液、欠乏輸液という三つの因子に大別される。維持輸液とは、生体が毎日摂取する必要量だけの水分および電解質を供給することであり、修復輸液とは、輸液療法が開始されてからの体液の異常喪失(経鼻胃管によって吸引排棄される胃液、創浸出液、腹水漏出などをいい、尿、普通便、不感蒸泄(じょうせつ)水分などは含まれない)を補うことである。また、欠乏輸液とは、輸液が開始される前に異常喪失された水分電解質を補うことをいう(異常喪失状態を脱水症という)。
 これら3種類の輸液は、いずれも生体に水分電解質を補給するわけであるが、その目的とするところが異なっているため、輸液量の算出方法も異なってくる。すなわち、維持輸液1日量は、対象となる生体の年齢、体重、身長、体表面積などを基本指標とし、これに体温などの因子を参考とした、一定量の水分電解質量ということになる。これに対して、修復輸液量は、異常喪失される水分電解質を実測し、その実測量ということになり、欠乏輸液量は、輸液療法開始直前の体重、血清電解質濃度、血清浸透圧値、血液ガス測定値、尿量、尿比重、尿浸透圧値などから、対象となる生体の水分電解質の欠乏量を算出し、その2分の1量を輸液開始直後の24時間で輸注することとなる。したがって、嘔吐(おうと)などのために脱水症状のある生体に輸液を行う場合には、水分電解質の補給については、これら3種類の概念の輸液を総合して1日の輸液量を決定し、その量を24時間要して、少量継続点滴輸注法で静脈内に投与するのが原則である。
 水分電解質輸液のために用いられる輸注液としては、5%ブドウ糖液、生理的食塩液、リンガー(リンゲル)溶液、ハルトマン液などのほか、維持輸液用輸注液、脱水症用輸注液などと多くの種類があり、既製市販されている。[平井慶徳]

栄養輸液

この水分電解質の非経口的補給と一体になって発展してきたのが「栄養輸液」という概念である。前述の19世紀におけるコレラ流行の際には、牛乳輸液も試みられたが、これも、栄養を補給したいという当時の医師の願望があったものと思われる。この栄養素の非経口的補給という考えが実現されたのは、19世紀末のブドウ糖液の輸液が初めてであり、20世紀に入ると、乳化された脂肪、タンパク水解物などの輸注が試みられた。しかし、輸注液の精製度、製剤技術、副作用などの点で多くの問題があり、一般に普及するまでには至らなかった。この栄養輸液が実地臨床の場に取り入れられだしたのは第二次世界大戦後であるが、今日の爆発的発展の起爆剤となったのは、1957年の大豆油乳剤の開発と、1968年の高濃度ブドウ糖・アミノ酸液の中心静脈内輸注による「完全静脈栄養法」という革新的な栄養輸液法の開発であった。
 前者は、単位重量当りの熱量がブドウ糖に比べ2倍以上であるがゆえに、20世紀初めから栄養輸液の素材として着目されていた脂肪を、静脈内に相当量輸注しても、安全でかつ十分に利用されるような、安定した乳化状態にした製剤であり、栄養輸液の発展に素材面から貢献したものである。これに対し後者は、すでに栄養輸液用素材として相当古くから実用化されていたブドウ糖の高濃度溶液(25%前後)に、2~3%の割合でアミノ酸を混じた高浸透圧の輸注液(高張液)を、血流量の多い中心静脈(上大静脈)内に留置した細いチューブ(カテーテル)を経て、微量輸液ポンプで輸注する方法であった。この輸注液は、単に、熱量源としてのブドウ糖とタンパク源としてのアミノ酸を含んでいるだけではなく、生体が必要とする多種類の電解質、ミネラルおよびビタミン類を含有しており、静脈内輸液だけで、生体が必要とする熱量と栄養素のすべてを補給するという、独創性を有する栄養輸液法である。この完全静脈栄養法による栄養輸液は、従来の栄養輸液と比較して、その保有熱量が著しく高くなったことから「高カロリー輸液」と通称されている。以上のような新しい輸液製剤および輸液法の導入によって、栄養輸液は飛躍的に発展し、経口的栄養摂取が制限あるいは途絶した症例の、内科的あるいは外科的治療の成績向上に画期的な役割を果たしている。
 この高カロリー輸液による完全静脈栄養のために用いられる輸注液としては、高濃度糖質液(ブドウ糖中心)、電解質ミネラル液(ナトリウム、カリウムから、銅、亜鉛といった生体に極微量しか存在しないミネラルまで)、L型結晶アミノ酸混合液、脂肪乳剤、多種ビタミン液などがあり、使用の便を考慮して、多種電解質ミネラルを含有した高濃度ブドウ糖液なども既製市販されている。
 また、急性出血などによって循環血液量が減少し、出血性ショックに陥り、輸血を必要とする生体に、緊急的処置として加熱ヒト血漿タンパク液、アルブミン液を輸注する場合が「血漿輸液」であり、血漿の膠質(こうしつ)浸透圧と同程度の浸透圧の人工的膠質液(デキストラン液、ゼラチン液、ポリビニルピロリドン液、アルギニン液など)を輸注する場合が「代用血漿輸液」である。[平井慶徳]
『北岡建樹著『よくわかる輸液療法のすべて』(2003・永井書店) ▽杉田学著『輸液療法の進め方ノート』(2003・羊土社) ▽仲川義人編『薬菜師が関わる輸液療法のポイント』(2004・医薬ジャーナル社) ▽鍋島俊隆監修、杉浦伸一編著『症例から学ぶ輸液療法――基礎と臨床応用』(2005・じほう)』

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世界大百科事典内の輸液の言及

【手術】より

…しかし先学の努力により現在日本の外科は世界において指導的立場をとれるほどに成長している。
【過去100年間の外科手術の進歩】
 外科手術は過去100年間で長足の進歩をとげたが,この進歩は外科医の腕が上がっただけではなく,大きな手術でも安全にできる基盤が築き上げられたこと,すなわち無菌法,抗生法,麻酔,輸血・輸液などの進歩によるところが大きい。
[無菌手術の導入]
 パスツールにより有機物の腐敗・発酵は空気中の微生物によりおこることがわかり,これを受けてJ.リスターは石炭酸消毒を,R.vonフォルクマンは昇汞消毒を提唱した。…

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