境界潤滑(読み)きょうかいじゅんかつ(英語表記)boundary lubrication

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

境界潤滑
きょうかいじゅんかつ
boundary lubrication

摩擦部分の2面間に十分な厚さの潤滑膜が形成できなくなり,摩擦面が部分的に固体接触するようになる状態。摩擦面間に作用する荷重が大きくなったり,すべり速度が小さくなると起る。摩擦面に物理的,化学的に吸着した潤滑剤の薄い膜が潤滑作用を保持するので,摩擦や表面損傷を軽減することができる。この場合,潤滑の粘度は流体潤滑の場合と異なり,もはや支配的要因ではなくなる。摩擦係数は流体潤滑と固体摩擦の中間の値となることが多い。

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化学辞典 第2版の解説

境界潤滑
キョウカイジュンカツ
boundary lubrication

潤滑油膜が薄くなって流体力学法則の適用ができなくなった潤滑領域をいう.この領域では,油膜の厚さは数分子層ないし数十分子層(10~100 nm)程度であり,凹凸を有する実表面では2面の顕著な直接接触が生じる場合が少なくない.この状態における潤滑性能は,潤滑油の粘性には無関係となり,潤滑剤中の分子の化学的性質などに支配される.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典内の境界潤滑の言及

【軸受】より

…しかし,軸の始動停止時,あるいは低速高荷重の軸受では油膜は十分に発達せず,軸と軸受は接触してしまう。この状態を境界潤滑という。 図2のようなシーソー状に支持された揺動平板と,矢印のように動く平面の間に油がある場合を考えると,ここにも油膜のくさび作用が生じ,圧力が発生する。…

【潤滑】より

…しかし,摩擦に関する研究の記録が残っているのはルネサンス以降であり,さらに潤滑の問題が科学的に取り扱われるようになったのは産業革命以後のことである。例えば流体潤滑理論の基礎が築かれたのは19世紀末であり,摩擦や境界潤滑の本質が理解されるようになったのは20世紀に入ってからである。摩擦,潤滑の研究は近年とくに盛んになっており,これらの問題を総合的に扱う学問分野をトライボロジーtribologyと呼ぶようになっている。…

※「境界潤滑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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