壬生野庄(読み)みぶののしよう

日本歴史地名大系 「壬生野庄」の解説

壬生野庄
みぶののしよう

近世の川東かわひがし村・川西村辺りに比定される奈良の春日若宮社の荘園。「中右記」元永二年(一一一九)五月二日条に「心閑相尋頭弁云、先日依伊賀国司申、春日御領新立庄々、可被停廃之由、被下宣旨了、予奉件宣旨也、内々申殿下之処、此中壬生野庄ハ充春日若宮常灯、既経年序、就中孝清任存新立之由」とあり、続けて壬生野庄を孝清の任期中に停止したところ祟りがあったために元どおり認め、今回は壬生野庄を除いて他の新庄を停止すると記している。したがって壬生野庄は孝清の任期中には成立していたことがわかる。孝清とは、同書長治二年(一一〇五)八月一八日条や嘉承二年(一一〇七)正月一一日条から、伊賀国司藤原孝清をさす。天養元年(一一四四)三月二九日付太政官符案(三国地志)に記す「藤原孝清任去長治三年下宣旨、被停廃畢」と関連して考えると、壬生野庄は少なくとも長治年間以前に成立していたといえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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