外陰ジストロフィー
がいいんジストロフィー
Vulvar dystrophy
(女性の病気と妊娠・出産)
外陰ジストロフィーは、外陰部にかゆみを伴う白色の病変の原因疾患として代表的なもので、以前は白斑症や外陰萎縮症とも呼ばれていました。ただし、細胞の異型を伴うものと伴わないものとがあるため、前者を外陰上皮内腫瘍、後者を非腫瘍性上皮性疾患という範疇に入れ、外陰ジストロフィーという用語はあまり使われなくなってきています。
外陰がん症例のなかには、細胞異型を伴わない白斑病変を有することも多いため、細胞の異型がなくても、白色病変には注意が必要です。
外陰部の表層の細胞で角化の異常・ケラチンの増加が起こる、あるいはメラニンの脱出により脱色素が起こる、などの現象が原因になります。
小陰唇、陰核(クリトリス)とその包皮、会陰部、肛門周辺に左右対称に平坦な萎縮性の白斑がみられたり(硬化性苔癬)、大陰唇に左右非対称に肥厚性でやや隆起した灰白色の白斑が生じたり(増殖性ジストロフィー)します。これらはかゆみを伴います。
症状や肉眼所見のほか、組織の一部を採取する病理組織学的検査が行われます。異型の有無は、顕微鏡下で診断されます。
病変が小さければすべて切除できることもありますが、CO2レーザーを用いて蒸散(照射した部分の細胞が瞬間的に煙を上げて蒸気になる)する治療や、副腎皮質ステロイド軟膏の塗布などが行われます。通常6週間以内で症状は消失し、再発もまれとされています。
織田 克利
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
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家庭医学館
「外陰ジストロフィー」の解説
がいいんじすとろふぃー【外陰ジストロフィー Vulvar Dystrophy】
[どんな病気か]
外陰部の発育異常、または栄養障害に基づく病気とされていますが、真の原因はいまだに不明です。従来いわれていた外陰萎縮症(がいいんいしゅくしょう)や外陰白斑症(がいいんはくはんしょう)は、一括して、いずれもこの外陰ジストロフィーに含まれます。
特徴的な白斑(皮下(ひか)の色素脱失)がみられ、大陰唇(だいいんしん)や小陰唇(しょういんしん)のほか、クリトリスや大腿部(だいたいぶ)内側にも広がることがあります。
かゆみをともなうことが多く、疼痛(とうつう)や灼熱感(しゃくねつかん)のある場合もあるようです。
ふつう外陰ジストロフィーは、増殖性(ぞうしょくせい)ジストロフィー(外陰白斑症)、硬化性苔癬(こうかせいたいせん)(外陰萎縮症)、混合型ジストロフィーの3タイプに分類されます。
[検査と診断]
病変部分の生検(組織診断のための切除検査)を行なうことにより、前述の3タイプのいずれかに診断されますが、異型(細胞の形態上の異常)をともなうものは、がんに移行することもあるので注意が必要です。
[治療]
治療は、局所の清潔と乾燥、刺激性のある石けんや化粧品の使用を控えるなどの一般的注意のほかに、症状に応じて、ステロイド薬や抗ヒスタミン薬を患部に塗布します。
異型の強い外陰ジストロフィーに対しては、積極的に外陰部切除術を行ないます。
出典 小学館家庭医学館について 情報
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