家庭医学館 「外陰ジストロフィー」の解説
がいいんじすとろふぃー【外陰ジストロフィー Vulvar Dystrophy】
外陰部の発育異常、または栄養障害に基づく病気とされていますが、真の原因はいまだに不明です。従来いわれていた外陰萎縮症(がいいんいしゅくしょう)や外陰白斑症(がいいんはくはんしょう)は、一括して、いずれもこの外陰ジストロフィーに含まれます。
特徴的な白斑(皮下(ひか)の色素脱失)がみられ、大陰唇(だいいんしん)や小陰唇(しょういんしん)のほか、クリトリスや大腿部(だいたいぶ)内側にも広がることがあります。
かゆみをともなうことが多く、疼痛(とうつう)や灼熱感(しゃくねつかん)のある場合もあるようです。
ふつう外陰ジストロフィーは、増殖性(ぞうしょくせい)ジストロフィー(外陰白斑症)、硬化性苔癬(こうかせいたいせん)(外陰萎縮症)、混合型ジストロフィーの3タイプに分類されます。
[検査と診断]
病変部分の生検(組織診断のための切除検査)を行なうことにより、前述の3タイプのいずれかに診断されますが、異型(細胞の形態上の異常)をともなうものは、がんに移行することもあるので注意が必要です。
[治療]
治療は、局所の清潔と乾燥、刺激性のある石けんや化粧品の使用を控えるなどの一般的注意のほかに、症状に応じて、ステロイド薬や抗ヒスタミン薬を患部に塗布します。
異型の強い外陰ジストロフィーに対しては、積極的に外陰部切除術を行ないます。