多と一(読み)たといつ(その他表記)polla (panta) kai hen; plurality and unity

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「多と一」の意味・わかりやすい解説

多と一
たといつ
polla (panta) kai hen; plurality and unity

アリストテレスは反対概念のすべては存在と非存在とに,あるいは一と多 (たとえば静→一,動→多) とに還元されるとした。エレア学派は一と多の対立のうちに純粋な唯一の存在と生成消滅する仮象的世界の対立をみた。一方ヘラクレイトスは対立と調和の原理によって万物の流転を説明する立場から「すべて (多) から一が生じ,一からすべて (多) が生じる」という有名な命題を導出している。プラトンはイデアと感覚的個物の対立を一と多の対立としてディアレクティケを多を一へ総括する能力としてとらえた。またプロチノスは多の絶対的始源として存在の全体を統一するものを一者 (ト・ヘン) あるいは第一者 (ト・プロトン) とし,多様な世界を本源的一者からの流出とみなしている。 (→同一と他 )

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