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同一と他 どういつとたtauton kai to heteron; the same and the other

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

同一と他
どういつとた
tauton kai to heteron; the same and the other

アリストテレスによると物事が同一であるというとき,(1) 付帯性において同一である場合と,(2) それ自体として同一である場合に区別され,さらに (2) は質料が種あるいは類において一つである場合と本質が一つである場合 (たとえば等しい等角の四辺形) に分たれる (『形而上学』5,10巻) 。あらゆる存在はあらゆる存在に対して同一であるか他であるかのいずれかの関係に立ち,この意味で同一と他とは対立的であるが,他方,他 (他者) は一者との対立関係に立つ。プラトンは形相ないしイデアとしての一者に対し感覚的個物を,あるいは一に対し多を他者とみなす (『パルメニデス』『ティマイオス』) 。新プラトン主義では本源的一者から流出しみずからの内に認識主体と認識対象 (イデア) の両極を含むヌースを一者に対して他者とし,スコラ哲学では世界に対する神の啓示を神に対して他とする。ヘーゲルでは他者は一者の否定であり,一者はみずからの内に固有の他者を弁証法的契機として含むとした。

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