多気郷(読み)たけごう

日本歴史地名大系 「多気郷」の解説

多気郷
たけごう

和名抄」高山寺本は「多計」、東急本は「多介」の訓を付す。「神宮雑例集」ほかでは「竹」とも書く。「皇太神宮儀式帳」に「難波朝庭天下立評給時(中略)十郷分、竹村立屯倉」とあり、孝徳朝にたけ村に屯倉を置いたとする。同書には「多気佐々牟宮」「竹首吉比古」などもみえる。「延喜式」神名帳には「タケ神社」を記す。


多気郷
たけごう

「和名抄」高山寺本に「多計」の訓がある。宇甘うかい川流域を中心とした現上房じようぼう賀陽かよう町地域に比定されている。天平一一年(七三九)備中国大税負死亡人帳(正倉院文書)に、物部里の戸主物部得安の戸口物部阿曇が一四束、田次里の戸主犬甘部首土方の戸口山守部身足が三〇束の大税を借りて死亡したとある。


多気郷
たけごう

「和名抄」高山寺本・刊本ともに訓を欠く。「大和志」は「已廃存入谷村」として芳野ほうの川支流の入谷にゆうだに川沿いの現宇陀郡菟田野うたの町大字入谷に比定。天文三年(一五三四)三月の水田売券(沢氏古文書)に「ニウタニノタケ」がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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