和語の「よべ・よんべ・こよひ」にあたり、漢語の「昨夜(宵・晩・夕・暮)」の意味を表わす和製漢語。公家日記などの記録体の文章に見られていたものが、中世には使用層の広がりを見せ説話や謡曲などに及ぶ。近世に入ると、芭蕉の手紙文に見られる一方、浮世草子、浄瑠璃、洒落本、咄本、滑稽本などにも見られ、口頭語としても広く一般に使われていたらしい。近代に入り、同じ意味の語として「ゆうべ」「昨夜」が使われるようになると、「夜前」は方言の性格をもつようになった。
乞巧奠〈公事十二ケ月絵巻〉〘 名詞 〙 陰暦七月七日の行事。乞巧は技工、芸能の上達を願う祭。もと中国の行事であるが、日本でも奈良時代以来、宮中の節会(せちえ)としてとり入れられ、在来の棚機津女(たなば...