芋粥(読み)イモガユ

デジタル大辞泉 「芋粥」の意味・読み・例文・類語

いも‐がゆ【芋×粥】

さいの目に切ったサツマイモを入れて炊いた粥。 冬》
ヤマノイモを薄く切り、アマズラの汁で炊いた粥状のもの。昔、宮中大饗たいきょうなどに用いた。
[補説]書名別項。→芋粥

いもがゆ【芋粥】[書名]

芥川竜之介短編小説。大正5年(1916)9月雑誌新小説」に発表。「今昔物語集」および「宇治拾遺物語」に取材しており、平安朝舞台にした王朝ものの作品ひとつ

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精選版 日本国語大辞典 「芋粥」の意味・読み・例文・類語

いも‐がゆ【芋粥】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ヤマノイモを薄く切ったものを甘葛(あまずら)の汁に混ぜて煮たかゆ。中古、宮中の大饗(たいきょう)貴族の宴などの際に用いた。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「大夫殿、いまだいもがゆにあかせ給はずや」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一)
  3. さいの目に切ったサツマイモをかゆに混ぜて煮たもの。

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普及版 字通 「芋粥」の読み・字形・画数・意味

【芋粥】うしゆく

いもがゆ。宋・陸游雑題〕詩 (てうそう)(朝食こしき)、米しくして粥を烹(に) 夜缸、油盡きてを點ず

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「芋粥」の解説

いもがゆ【芋粥】

①さつまいもなどのいも類を入れて煮たかゆ。
やまのいもに甘葛(あまずら)の汁を混ぜて煮たかゆ状の食べ物平安時代、宮中の大饗などで用いられた。

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世界大百科事典(旧版)内の芋粥の言及

【粥】より

…とくに近畿地方では朝食とするところが多く,茶粥は奈良地方で好まれ,〈奈良茶粥〉,略して〈奈良茶〉とも呼ばれた。芋粥は,現在ではふつうサツマイモを入れたものを指すが,芥川竜之介の《芋粥》に描かれた平安時代のそれは薯蕷(しよよ)粥ともいい,ヤマノイモを切って甘葛(あまずら)の汁で煮ただけの,汁粉のようなものであった。粥はハレの日の食物とされることが多く,正月の七草粥,小豆(あずき)粥のほか,8月1日には宮中などで尾花粥,12月8日には寺院などでは紅糟(うんぞう)粥を食べた。…

※「芋粥」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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