…東三条殿は貴族住居では最大規模のものであるが,寝殿などの構成原理は他の貴族住居に共通していたものと考えられる。なお,寝所は天皇の寝所である清涼殿の夜御殿(よるのおとど∥よんのおとど)が塗籠であるところから,平安時代初期ころまでは塗籠が寝所として使われていたようであるが,平安時代後期になると塗籠は貴重品を入れておく物置になり,寝具として帳台を部屋に置くようになる。また,平安時代末期には小部屋の床を一段高くし,入口の端に方立(ほうだて)を立て,帳を垂らした作り付けの帳台が見られるようになる(《伴大納言絵詞》)。…
…西側に四季の屛風を立て,中央に円座を敷き,毎朝天皇がここで伊勢神宮や内侍所(ないしどころ)を遥拝する。昼御座の北2間四方が〈夜御殿(よるのおとど)〉で,身舎と妻戸で通じている。天皇の寝室で,御帳が置かれ,東枕である。…
…平安時代の寝殿造では主屋の一部に壁で囲った部屋が設けられていた。これは塗込(ぬりごめ)と呼ばれ,内裏の清涼殿で天皇が用いるものは夜御殿(よるのおとど)といわれた。しかし,その実際の形式・構造はわかっていない。…
…東三条殿は貴族住居では最大規模のものであるが,寝殿などの構成原理は他の貴族住居に共通していたものと考えられる。なお,寝所は天皇の寝所である清涼殿の夜御殿(よるのおとど∥よんのおとど)が塗籠であるところから,平安時代初期ころまでは塗籠が寝所として使われていたようであるが,平安時代後期になると塗籠は貴重品を入れておく物置になり,寝具として帳台を部屋に置くようになる。また,平安時代末期には小部屋の床を一段高くし,入口の端に方立(ほうだて)を立て,帳を垂らした作り付けの帳台が見られるようになる(《伴大納言絵詞》)。…
※「夜御殿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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