大丸窯跡群(読み)おおまるようせきぐん

日本歴史地名大系 「大丸窯跡群」の解説

大丸窯跡群
おおまるようせきぐん

[現在地名]稲城市大丸

多摩川右岸の標高一五〇メートル内外の大丸地区一帯の台地南斜面にあり、多摩丘陵一帯に分布する南多摩窯跡群に包括される。古くは江戸後期の「武蔵名勝図会」や「風土記稿」に国分寺(現国分寺市)の瓦焼成地、瓦出土地と記載され、大正一二年(一九二三)の「東京府史蹟名勝地調査報告書」に多摩川左岸の北二・五キロに位置する武蔵国分寺へ供給の瓦窯跡と報告されているなど古くから存在が知られ、昭和一九年(一九四四)には「考古学雑誌」に掲載の大丸窯跡の報告文によって周知された。同三一年に当時の稲城村大丸字瓦谷戸かわらやとで地下式有階有段登窯二基(瓦焼成専用窯・焼成専用窯)が調査され、八葉蓮華文鐙瓦・女瓦・男瓦・堤瓦・面戸瓦と武蔵国の郡名文字・瓦(刻印・篦書で武蔵二一郡中一七郡が在銘)が出土した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android