朝日日本歴史人物事典 「大井上輝前」の解説
大井上輝前
生年:嘉永1.10.22(1848.11.17)
明治期の北海道樺戸集治監初代典獄。伊予(愛媛県)大洲藩士の子。明治維新前にアメリカに留学。明治2(1869)年,箱館府弁官に任官。対露渉外事務に当たる。同16年内務省監獄局に転属。同18年釧路集治監典獄。看守を全国公募し有馬四郎助らを抜擢。アトサヌプリ鉱山での囚人の惨状に際し,鉱山労働を禁止したのをはじめ,人道的遇囚に努力。教誨師に原胤昭,留岡幸助ら基督教徒を採用。同27年不敬事件を理由に典獄を非職となるまで,宗教教育を取り入れるなど監獄改良に尽力。退官後,札幌区議会議長。監獄に野球や草競馬を導入した。<参考文献>重松一義『北海道行刑史』
(篠崎恭久)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報