大学管理法案(読み)だいがくかんりほうあん

大学事典 「大学管理法案」の解説

大学管理法案
だいがくかんりほうあん

いわゆる新制大学は,学校教育法の施行に伴い1949(昭和24)年度(一部の大学は前年度)から発足したが,旧制度による各種の高等教育機関が新制度の大学に移行し,とくに国立大学については歴史の異なる複数の機関が一つの大学に統合されるなどしたため,統一ある大学を形成するために,何らかの組織による管理運営の法的根拠が必要とされた。文部省や大学団体が検討した結果,1951年国会に国立大学管理法案および関連法案が提出されたが,継続審議を重ねた結果,審議未了となり成立をみなかった。この法案には,国立大学の自治を尊重し国立大学の行政民意を反映させて適正な管理をはかることを目的に,文部省に置かれる国立大学審議会(学長や学識経験者20名で構成)学長諮問機関としての商議会,学部長等からなる評議会および教授会,代議員会という大学管理組織が予定されていた。法案の精神の一部は,1953年制定の国立大学の評議会に関する暫定措置を定める規則(昭和28年文部省令第11号)に受け継がれた。
著者: 山本眞一

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の大学管理法案の言及

【学生運動】より

…47年官公労,産別会議,総同盟などが予定した二・一ストが占領軍司令官マッカーサーの禁止命令によって挫折したことから,労働者組織の動きに呼応していた学生運動に混乱をもたらし,学生がみずからの運動を確立しなければならないとする〈主体性〉論議が高まった。占領軍の示唆のもとに文部省が発表しようとした大学管理法案(各国立大学に学外者9名,教授代表3名および学長からなる管理委員会を組織し,これに学長,学部長,教職員の任免権をはじめ,財政運用等にかかわる一切の権限を与えようとするもの。アメリカの州立大学の管理方式に似ていることから〈大学理事会法案〉とも呼ばれた),国立大学授業料値上げ案などへの反対闘争を展開した学生は,48年6月全国113校・約20万人が参加するという大規模な全国学園ストを行った。…

※「大学管理法案」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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