大富山城跡(読み)おおとみやまじようあと

日本歴史地名大系 「大富山城跡」の解説

大富山城跡
おおとみやまじようあと

[現在地名]西城町入江

西城川西岸にそびえる大富山(五一一・四メートル)に構えられた中世の山城跡。旧入江いりえ村と旧くり村の境に位置するが、「国郡志下調書出帳」では栗村にあげられている。大富山は古くはまる山と称し、壺を伏せた形をし、比高一八〇メートルの要害の地で、東麓を流れる西城川と北麓を流れ西城川に合流する入江川が自然の堀をなす。「久代記」(山口県文書館蔵)

<資料は省略されています>

と要害堅固な様を述べ、城名は「大キニ国モ富ベキトテ其名ヲ大富ト号シ」たものとしている。

山頂には本丸・大手の段・井戸の段などの郭があり、南東下方に、あやめの段・菊の段がある。搦手にあたる南西尾根空堀で断ち、その上に郭を設けている。大手とみられる北東麓にも郭があり、東麓の西城川との間に居館があったとみられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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