(1)遊廓(ゆうかく)で妓楼(ぎろう)がその日の営業を終了すること、またその時刻。1657年(明暦3)に焼失後、江戸・日本橋から移転した新吉原(しんよしわら)(台東区(たいとうく)千束(せんぞく))では、六つ(午後6時)から四つ(午後10時)までの夜間営業が許され、四つには規定どおり大門を閉めたが、張見世(はりみせ)(娼妓(しょうぎ)が店先で客を待つこと)は九つ(午後12時)の引けまで行われて、くぐり門を通行することが黙認された。それ以後も営業する場合は、九つを中引けというのに対し終業時を大引けとよび、店や季節により午前1時または午前2時のことが多かった。
(2)市場用語の大引けは、証券取引所や商品取引所での午後の最後の立会(取引)をいう。
[佐藤農人]
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