大方竈(読み)おおかたかま

日本歴史地名大系 「大方竈」の解説

大方竈
おおかたかま

[現在地名]南島町大方竈

にえ湾に面した集落のうちでも最東部にある南島八ヶ竈の一。北西阿曾あそ浦、北東は標高三一〇・八メートルのつぼねちようを隔てて相賀おうか(現南勢町)。南には志戸しとはなふで島の諸島が熊野灘に面している。贄湾を形成している一半島の端部にあるため陸上交通は不便で、この地に至るには大江おおや村より贄湾に沿って道行みちゆく竈・阿曾浦を経る道程に頼るしかなかった。現在は南島大橋の完成によって慥柄たしから浦より直接通じる。

文禄三年(一五九四)一一月二八日の竈方庄屋年寄連署山わけ証文(竈方文書)に「南伊勢渡会郡六竈中二十五ケ所山之わけ之事」として「一、五ケ所道行大方竈志ほが、ちな、かさらぎ、みゑ嶋、こがり、かいご、右之通御検地請為山年貢定米三十石納申候為後日仍如件、文禄三年霜月廿八日 相賀竈庄や忠左衛門事」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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