大日越(読み)だいにちごえ

日本歴史地名大系 「大日越」の解説

大日越
だいにちごえ

熊野本宮大社の南、大日山(三六九メートル)の北側の峠を越えて、湯峯(ゆのみね)に達する山路。湯峯―本宮を結ぶ車(くるま)街道の南にある。天仁二年(一一〇九)一一月一日、藤原宗忠は熊野三山の参詣をすませて再び本宮に帰り、「未刻行向湯峯御前西山也、坂行程十余町也」と「中右記」に記しているが、大日越を通ったと考えられ、本宮と湯峯を往来する山路として盛んに利用されたとみられる。しかし元禄年間(一六八八―一七〇四)の「紀南郷導記」には「又本宮ヨリ湯峰ハ南ニ当ル。行路二十八町ナリ。道二筋有リ。小栗ガ車道ト云フハ、本宮札ノ辻ヨリ左ニ行クナリ。又影向道ト云フ道有リ。是レハ常ニハ往来セズ」とみえ、近世には影向(ようごう)道とよばれて修験者らが往来するにすぎず、ただ湯登神事の時だけ、社司・地下人らがこの道を通って湯峯王子へ参ったらしい。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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