大枝山陵(読み)おおえさんりよう

日本歴史地名大系 「大枝山陵」の解説

大枝山陵
おおえさんりよう

[現在地名]西京区大枝沓掛町

伊勢講いせこう山にある、光仁天皇夫人で桓武天皇の生母高野新笠たかののにいがさ陵墓。「延喜式」諸陵寮に「大枝陵 太皇大后高野氏、在山城乙訓郡、兆域東一町一段、西九段、南二町、北三町、守戸五烟」とみえ、陵名は古代大江郷(和名抄)の地に営まれたことによる。「封土高サ三間半、周囲七十二間」(京都府地誌)円墳で、現在は伊勢講山古墳ともいわれる。

新笠は、「続日本紀」延暦八年(七八九)一二月二八日条に「皇太后崩」とあり、翌九年正月一五日条に「大枝山陵」に葬られたことと、新笠の出自・経歴を記す。

<資料は省略されています>

新笠は、渡来系の和乙継が土師氏(のち大枝氏・大江氏を名乗る)出身の大枝真妹とのあいだにもうけた女子で、桓武天皇が山城の乙訓の地に新都長岡京を設営した背景には、母新笠の出身地との関係が考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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