大浜庄(読み)おおはまのしよう

日本歴史地名大系 「大浜庄」の解説

大浜庄
おおはまのしよう

円山まるやま川左岸の大浜川流域にあった庄園で、比叡山延暦寺の妙香みようこう院領。「但馬考」は森津もりづたき新堂しんどう岩熊いわくま江野ごうの伊賀谷いがだにの六村を「大浜庄と云」としている。はじめ右大臣藤原師輔領で、応和元年(九六一)六月五日、師輔は大浜庄はじめ一一ヵ所を子息で叡山の高僧良源の門弟となっている尋禅に譲った(門葉記)。良源が尋禅のために私房妙香房を建立していたが、良源の没後尋禅はこれを妙香院と改称して整備拡充し、永祚二年(九九〇)尋禅は師輔から相伝した大浜庄等を妙香院に施入した。なお大浜庄等四庄は施入までに官省符を得ていた(同書)

建仁元年(一二〇一)宇治平等院領樋爪ひづめ庄と妙香院領大浜庄との間に相論があった。内容は明らかではないが、これまでにも相論があり、たびたび両庄に裁許があったという(「猪熊関白記」同年正月一七日・二一日条)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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