大蔵八幡宮跡(読み)おおくらはちまんぐうあと

日本歴史地名大系 「大蔵八幡宮跡」の解説

大蔵八幡宮跡
おおくらはちまんぐうあと

[現在地名]伊賀町愛田

愛田の日置あいたのひおき神社跡の西方にあって、大蔵という山伏怨霊を祀ってあったという(伊水温故)。「伊水温故」や「茅栗草子」によると、天正(一五七三―九二)の頃、江州甲賀郡(現滋賀県)飯道はんどう岩本いわもと院の大蔵という山伏が伊賀国中を勧進中、愛田えた村と下柘植しもつげ村の水争いが起こり、その仲裁をした。しかし同門の山伏の中傷により自害に追込まれた。その後大蔵の怨霊が岩本院の法印以下を悩まし続けたので大蔵ゆかりの愛田村に祠を建て祀ったと伝える。

創建年について、下柘植日置神社蔵の懸仏の銘に「慶長三戊戌年霜月八日始祭日、奉勧請大蔵八幡宮村内安全祈攸(下略)」とあり、また愛田の岡野家蔵系図に前記伝説と同様の内容に続いて「慶長三年霜月八日始祭」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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