大野名(読み)おおのみよう

日本歴史地名大系 「大野名」の解説

大野名
おおのみよう

中世の伊作いざく庄内の名田名。現在の金峰町大野が遺称地。建長七年(一二五五)一二月二五日の関東下知状(島津他家文書)には大野村は田尻たじり和田わだ両村(現吹上町)とともに島津忠久の自名であったとみえ、承久三年(一二二一)に三ヵ村の万雑事と下司職を下司伊作則純と交換したにもかかわらず、忠久の死後、女子である常陸後家が押領したという。正安三年(一三〇一)以来、阿多北方あたきたかた一分地頭の二階堂行雄が境を越え「大野名内塩道上毛夜木瀬任」などを押領しているとして、伊作庄雑掌・下司が鎮西探題に訴訟を起こしている(文保三年六月「伊作庄雑掌承信并下司高純申状案」島津家文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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