天つ空(読み)アマツソラ

デジタル大辞泉 「天つ空」の意味・読み・例文・類語

あま‐つ‐そら【天つ空】

大空天上世界。また、手の届かない遠い所。
「ひさかたの―にも住まなくに人はよそにぞ思ふべらなる」〈古今・恋五〉
皇居宮中。また、天皇
「言の葉を―まで聞こえあげ」〈古今雑体
心が落ち着かぬこと。うわのそら
「立ちて居てたどきも知らずあが心―なり土は踏めども」〈・二八八七〉

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精選版 日本国語大辞典 「天つ空」の意味・読み・例文・類語

あまつ【天つ】 空(そら)

  1. 天。空。大空。あまつみそら。
    1. [初出の実例]「久方のあまつそらにもすまなくに人はよそにぞ思ふべらなる〈在原元方〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋五・七五一)
  2. ( 空のように遠い、というところから ) 時間的・空間的にはるか遠い所。遠くかけ離れた世界。また、まったく縁がないこと。
    1. [初出の実例]「ゆふぐれは雲のはたてに物ぞ思ふあまつそらなる人をこふとて〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋一・四八四)
  3. ( 雲の上というところから ) 宮中。禁中。朝廷。天皇。
    1. [初出の実例]「人まろこそは うれしけれ 身はしもながら ことの葉を あまつそらまで きこえあげ すゑのよまでの あととなし〈壬生忠岑〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑体・一〇〇三)
  4. (空に浮いているように)心がふわふわして落ち着かないさま。うわのそら。有頂天。
    1. [初出の実例]「立ちて居てたどきも知らず吾が心天津空なり土は踏めども」(出典:万葉集(8C後)一二・二八八七)

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