天万村(読み)てまむら

日本歴史地名大系 「天万村」の解説

天万村
てまむら

[現在地名]会見町天万てんまん円山まるやま

諸木もろぎ村の南西小松谷こまつだに川中流域左岸、手間てま山から北に延びる支峰みね山の北麓に位置する。手間・天満とも記し、「てんま」ともよんだ。古代の会見郡天万郷(和名抄)の遺称地で、中世には富田とみた庄のうち。古くから西伯耆と東出雲を結ぶ交通の要地で、文久二年(一八六二)には出雲松江藩の参勤交代路が従来の米子城下から車尾くずも(現米子市)遠藤えんどう(現岸本町)溝口みぞくち(現溝口町)を経て二部にぶ(現同上)に至る経路(出雲街道)から、西寄りの米子城下―天万―池野いけの―二部を結ぶ道筋(新出雲街道、天万通ともいう)に変更されたため、当地に宿駅が設けられた(「新駅設置申渡状控」近藤家文書など)。拝領高は九九八石余、本免は四ツ五歩。藪役銀一九匁五分が課せられていた(藩史)。幕末の六郡郷村生高竈付では生高一千一四七石余、竈数一二七。「伯耆志」では家数一二四・人数五四〇、林一七町八反余、物産として茶・瓦をあげる。享保一〇年(一七二五)会見・汗入あせり両郡を管轄する在吟味役会所が設置され、合せて新規に在下吟味役の居住地とされた(在方御定)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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