天和笑委集(読み)てんなしょういしゅう

改訂新版 世界大百科事典 「天和笑委集」の意味・わかりやすい解説

天和笑委集 (てんなしょういしゅう)

江戸前期の見聞記。作者不明。貞享年間(1684-88)の成立写本。13巻。1682年(天和2)11月から翌年2月にかけて,江戸で頻発した大火の見聞記で,細かい記録とともに,物語風に火災現場で活躍した人や放火犯人の様子などを書いている。とくに第11巻から第13巻までは,八百屋お七事件を詳しく取り扱っていて,西鶴の《好色五人女》の素材として参考にすべきものが少なくない。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android