天壇祈年殿(読み)てんだんきねんでん(その他表記)Tian-tan gi-niandian

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「天壇祈年殿」の意味・わかりやすい解説

天壇祈年殿
てんだんきねんでん
Tian-tan gi-niandian

中国,北京市崇文区天壇公園内に残る礼制施設。天壇は冬至の日,および即位の大典の直前や親征に出る前などに,天子が天を祀り,豊作を祈るための円形の壇。古くは圜丘 (えんきゅう) といったが,明の嘉靖 13 (1534) 年に天壇と改められた。現在の天壇は明の永楽 18 (1420) 年の北京遷都以来のもので,中心には大祀殿があった。嘉靖9年に天地合祀をやめ,大祀殿の前に圜丘を造った。なお8年後には大祀殿を取りこわして大享殿を建て,清の乾隆 16 (1751) 年に祈年殿と改名。その後,光緒 15 (1889) 年に雷火で焼失し,同 26年に重建したのが現在の建物である。平面円形で三重屋根,軒先から次第に細くなっていく瑠璃 (るり) 瓦は,大理石の三層基壇の白色とともに異彩を放っている。

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