瑠璃(読み)ルリ

デジタル大辞泉 「瑠璃」の意味・読み・例文・類語

るり【瑠璃/×琉璃】

《〈梵〉vaiḍūryaの音写吠瑠璃べいるり」の略》七宝の一。青色の美しい宝石。赤・緑・紺・紫色などもあるという。
ラピスラズリのこと。
瑠璃色」の略。
青い羽色のオオルリコルリルリビタキのこと。 夏》「―啼いて青嶺あをねひらめく雨の中/不死男
ガラス古称玻璃はり
「―、さんごじゅのかざり銀のかぎ、金の輪」〈浮・織留・一〉
[類語]宝石たまぎょく宝玉勾玉原石金剛石ダイヤモンド玻璃石英水晶クリスタルクオーツ紫水晶アメシスト瑪瑙猫目石キャッツアイエメラルド翠玉緑玉石トパーズ黄玉オパール蛋白石トルコ石ターコイズガーネット柘榴石鋼玉ルビーサファイア翡翠碧玉琥珀真珠パール

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「瑠璃」の意味・読み・例文・類語

るり【瑠璃・琉璃】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( [梵語] vaiḍūrya の音訳「べいるり(吠瑠璃)」の略 ) 古代インド、中国などで珍重した宝玉。七宝の一つ。青色のものを代表とするが、他に赤、白、黒、黄、緑、紺などがあるという。また、ガラスの類をもさす。瑠璃珠。
    1. [初出の実例]「説聴瑠璃、情幾擡」(出典:性霊集‐一(835頃)徒懐玉)
    2. [その他の文献]〔薬師如来本願経〕
  3. るりいろ(瑠璃色)
    1. [初出の実例]「瑠璃の経巻は霊鷲山の暁の空よりも緑なり」(出典:栄花物語(1028‐92頃)浅緑)
  4. ヒタキ科のオオルリ、ツグミ科のコルリの俗称。雄はいずれも美しい瑠璃色の羽毛を持つ。るりちょう。《 季語・夏 》 〔日葡辞書(1603‐04)〕
  5. ナトリウム、アルミニウムの珪酸塩で塩素や硫黄も含み複雑な組織の鉱物。藍色半透明でガラス光沢がある。等軸晶系。塊状で接触変成作用を受けた石灰岩中に産する。宝石・装飾用。ラズライト。ラピスラズリ。〔鉱物字彙(1890)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「瑠璃」の読み・字形・画数・意味

【瑠璃】るり

るり。碧璃。〔世説新語汰侈〕武常(かつ)て王武子の家にる。武子、饌(せん)を供す。竝びに瑠璃のを用ふ。婢子百餘人、皆綾羅(りようら)袴羅(こら)して、手を以て飮(ささ)ぐ。

字通「瑠」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「瑠璃」の意味・わかりやすい解説

瑠璃
るり

サンスクリット語はバイドゥーリヤvaiūrya(俗語形はベールーリヤvelūriya)で、吠瑠璃(べいるり)、琉璃(るり)などと音訳される。青色の宝石として仏典に頻出する。四宝(金、銀、瑠璃、玻璃(はり))または七宝の一つとしてつねに第三位に位置する。アフガニスタンのバダクシャーンに産地があったラピスラズリ(青金石)であろうとされる。西暦紀元以後は青色のガラス製品も瑠璃とよばれた。

[定方 晟]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「瑠璃」の意味・わかりやすい解説

瑠璃
るり

琉璃とも書く。 (1) サンスクリットのバイドゥールヤ Vaiduryaを音訳した毘瑠璃 (びるり) ,吠瑠璃 (べいるり) の略語。青,青紫色の宝石ラピス・ラズリのことでインド古代の七宝の一つ。 (2) ガラスの古名

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「瑠璃」の解説

瑠璃 (ルリ)

動物。ヒタキ科に属するオオルリ・コルリの略称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の瑠璃の言及

【ガラス工芸】より

…パルティア時代に入ってその伝統はやや衰えたが,ササン朝時代になって再興し,カット・グラス製品を大流行させて全世界に輸出していった。日本や中国に伝えられた白瑠璃碗は,そのササン・カット・グラスの典型的一例である。一方,エジプトのガラスは当初テル・エル・アマルナやマルカタなどの王宮に所属した御用窯で作られたが,前13世紀ころより民窯も始められ,バラエティに富むガラス器が作られた。…

【ガラス玉】より

…中国にはガラスを指す語が種々あるが,日本で採用したのは,〈琉璃(るり)〉または〈瑠璃(るり)〉である。734年(天平6)の《造仏所作物帳》に見る〈琉璃雑色玉〉は,その早い使用例である。…

【ラピスラズリ】より

…ラピスラズリはペルシア語の紺碧色を意味するlāzhwardに,ラテン語で石を意味するlapisをつけたもの。日本でも瑠璃(るり)と称して七宝の一つに数えられ,また〈群青(ぐんじよう)〉と呼ぶ青色の岩絵具として昔から用いられてきた。【近山 晶】 ラピスラズリはアウインhaüyne(藍方石),ノゼアンnosean(黝(ゆう)方石),ラズライトlazurite,ソーダライトsodalite(方ソーダ石)が固溶体を形成するソーダライト族の鉱物である。…

※「瑠璃」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android