天明宿(読み)てんみようしゆく

日本歴史地名大系 「天明宿」の解説

天明宿
てんみようしゆく

[現在地名]佐野市天明町・本町

例幣使街道宿駅。西の簗田やなだ宿(現足利市)へ二里半、北東に隣接する犬伏いぬぶし宿へ二七町、東の富田とみだ宿(現下都賀郡大平町)へ三里半。「太平記」巻三〇(薩山合戦事)に「天命宿」とみえ、観応二年(一三五一)一二月一六日足利尊氏の出兵要請を受けた宇都宮氏綱は駿河さつた(現静岡県清水市・庵原郡由比町)へ向かう途中、当地に立寄っている。元和三年(一六一七)駿河久能くのう(現静岡市)から日光山への徳川家康の遺骸移送に際して、柩が当宿の惣宗そうしゆう寺に一泊している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の天明宿の言及

【天明】より

…17年(元和3)日光山に家康の廟が造られるとき,改葬される遺骸は館林から天明を通り,栃木,鹿沼(かぬま)を経て日光へ入った。その後,隣接の小屋町(現在の佐野市街の中心部)を合わせて天明宿とし,46年(正保3)朝廷から日光廟(東照宮)へ毎年奉幣使が遣わされるようになって,日光例幣使街道の宿場として重視された。例幣使は4月12日に小屋町の本陣に宿泊するのが通例であった。…

※「天明宿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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