天狗沢瓦窯跡(読み)てんぐざわがようせき

日本歴史地名大系 「天狗沢瓦窯跡」の解説

天狗沢瓦窯跡
てんぐざわがようせき

[現在地名]敷島町天狗沢

かやヶ岳の南麓を南北に流れる川と、奥秩父の金峰おくちちぶのきんぷ山を源とするあら川によって舌状に削られた台地の先端に位置する白鳳時代の窯跡。県指定史跡。昭和六一年(一九八六)の春に桑畑を改植しておびただしい瓦が出土し、そのなかから文様の明らかな軒丸瓦が発見されたことにより注目された。

昭和六二年五月から翌年五月までに三次にわたる調査を実施した。一号窯は傾斜地を下から上にトンネル状に掘った窯で、瓦を並べるための階段が床に造られた地下式有段登窯である。窯の天井と煙道部分は崩落していたが、焼成部と燃焼部および灰原は良好に残り、窯を取巻く逆U字条の溝や灰原からの水抜き溝が確認された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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