天耳(読み)てんに

精選版 日本国語大辞典 「天耳」の意味・読み・例文・類語

てん‐に【天耳】

  1. 〘 名詞 〙 仏語
  2. 色界の諸天人の耳。六道衆生の言語と、一切の音響を聞きとることができるという。また、天は高い所にあっても、下界のことを聞き知るという天の耳。
    1. [初出の実例]「以天眼生処、以天耳言音」(出典往生要集(984‐985)大文二)
    2. 「麁動の称名をも天耳(ニ)の聞をなし」(出典:地蔵菩薩霊験記(16C後)五)
    3. [その他の文献]〔倶舎釈論‐二〇〕
  3. てんにつう(天耳通)」の略。
    1. [初出の実例]「いはゆる三昧は、首楞厳等の無量三昧、天眼天耳六通」(出典:伝光録(1299‐1302頃)迦毘摩羅尊者)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android