太多庄(読み)ただのしよう

日本歴史地名大系 「太多庄」の解説

太多庄
ただのしよう

太多御厨ともいう。古代の気多けた郡太多郷(和名抄)の名称を継承した伊勢神宮外宮領庄園で、円山まるやま川支流稲葉いなんば川の上流域に比定される。太多の地名は、永暦二年(一一六一)八月七日付の大岡寺敷地山林注進状案(大岡寺文書)に「西限太多坂鳥居」とみえ、大岡おおおか寺惣寺の西限として、鳥居が建てられていた。建久三年(一一九二)八月日付の伊勢大神宮神領注文(神宮雑書)の但馬国の項に大垣おおがき御厨(現出石町)田公たきみ御厨(現浜坂町)と並んで「太多御厨」とみえ、給主は前治部大輔平行範とあり、文治元年(一一八五)一〇月九日建立され、同年九月一〇日永代不輸神領の由宣旨を下されたこと、供祭物は上分八丈絹三疋、月次御幣料上品紙一五帖、起請雑用料絹一七疋であることが記される。弘安八年(一二八五)の但馬国太田文には「太多庄 八拾壱町六反百十八歩」とみえ、「伊勢太神宮領」「領家岩倉皇后宮権大進」「地頭楽前藤内兵衛入道了一」の注記があり、庄田の内訳は、流失一町半、仏神田四町八反五〇歩、人給二六町七反一七一歩、定田五〇町二五七歩である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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