デジタル大辞泉
「太郎兵衛駕籠」の意味・読み・例文・類語
たろべえ‐かご〔タロベヱ‐〕【太▽郎▽兵▽衛×駕▽籠】
違っているようにみえても結果は同じことの意。江戸時代、寛政(1789~1801)末から文化(1804~1818)年間にかけての流行語。駕籠かきの太郎兵衛が泥酔して駕籠に乗ったが、底を抜いてやはり歩かねばならなかったという故事から出たという。「太郎兵衛歩びやれ」「太郎兵衛駕籠歩びやれ」ともいう。
「やっぱり―だ。しかたがねえ」〈滑・続膝栗毛・五〉
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たろべえ‐かご タロベヱ‥【太郎兵衛駕籠】
〘名〙 (寛政(
一七八九‐一八〇一)
末年から文化(
一八〇四‐一八)年間にかけて流行した語) もと通りで結局同じこと。どっちにしても同じこと。差し引きもともと。元の
木阿彌。太郎兵衛歩びやれ。太郎兵衛。
※雑俳・柳多留‐六五(1814)「みいら取り太郎兵衛駕(カゴ)に乗てくる」
[
補注]
潁原退蔵は「川柳雑俳用語考」において、泥酔した太郎兵衛という
人物が、駕籠に乗って底を抜いて、やっぱり歩かなければならなくなったというようなこと、あるいは、駕籠かき太郎兵衛が一時の
栄耀で駕籠に乗ったが、酔いがさめてみると駕籠の底を抜いていて、やっぱり歩かなければならなかったというようなことがあって、そこから「もと通り」の意の流行語が生まれたと推定している。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報