夫役現品(読み)ふえきげんぴん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「夫役現品」の意味・わかりやすい解説

夫役現品
ふえきげんぴん

特定公益事業需要を満たすために国民が負担する公法上の義務(人的公用負担)のうち金銭か、それとも労役夫役)または物品現品)かいずれかを給付すればよいとする公法上の選択債務。貨幣経済未発達時代には、金銭で納付させるよりそれに相当する労力や物品で納付させるほうが便宜であるとして認められていたが、現在ではその必要が減少し、ほとんど例がなくなっている。

[阿部泰隆]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の夫役現品の言及

【公用負担】より

… 公用負担は,その内容に着目して,人的公用負担と物的公用負担とに大別される。人的公用負担は,特定の公共事業のために必要な作為,不作為,給付の義務を特定人に課すものであり,都市計画負担金や下水道負担金等公共事業に特別の利害関係をもつ者に,事業費の全部または一部を負担させる負担金,公共事業に必要な労役または物品の給付義務を課す労役負担または物品負担,必要な労役の提供または物品の給付か,これに代わる金銭給付のいずれかの選択的義務を課す夫役現品がある。しかし,貨幣経済体制の下では,負担金を除き存在理由に乏しく,負担金もその算定が難しく,十分に活用されているとはいえない。…

※「夫役現品」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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