奥歯に物が挟まる(読み)おくばにものがはさまる

精選版 日本国語大辞典 「奥歯に物が挟まる」の意味・読み・例文・類語

おくば【奥歯】 に 物(もの)が挟(はさ)まる

  1. 相手に、十分心がうちとけないで、自分の思うことをはっきり言い出さない。わざとはっきり言わない。〔譬喩尽(1786)〕
    1. [初出の実例]「改進党の新聞などは何にか奥歯に物がハサマリたる様に喋々いたします」(出典:条約改正論(1889)〈田口卯吉〉)
  2. 相手に対して、なんとなくへだてを感じる。また、なにか心にひっかかるものが残る。
    1. [初出の実例]「いかにしても大岸宮内我をねらふとの評判、奥歯(オクバ)に物のはさまりしごとく苦になりて夜がねられず」(出典浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ことわざを知る辞典 「奥歯に物が挟まる」の解説

奥歯に物が挟まる

相手に遠慮したり裏に何か事情があって、思うことをはっきり言えないことのたとえ。また、何か心にひっかかるものが残ることのたとえ。

[使用例] ホイホイと下にも置かぬもてなしぶり。―勤は変な不思議な奥歯に物のはさまったような心地がした[田山花袋*妻|1908~09]

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