奥院経蔵(読み)おくのいんきようぞう

日本歴史地名大系 「奥院経蔵」の解説

奥院経蔵
おくのいんきようぞう

[現在地名]高野町高野山

弘法大師廟の東側にある。三間四面・檜皮葺宝形造で国指定重要文化財。慶長四年(一五九九)三月、石田三成が母の菩提のために建立したもので、高麗板一切経六千五五七巻とともに奉納された。経蔵の木額の表に「当輪蔵造営、同一切経奉納之、近江国坂田郡石田治部少輔藤原朝臣三成、為悲母菩提也」とあり、裏には「本願木食興山上人深覚房応其、金剛峯寺奥院経蔵之銘、慶長四己亥年三月二十一日記之」とみえる。納められた一切経は室町時代に対馬の宗氏が入手し、宝徳元年(一四四九)一一月、宗貞盛・成職らによって対馬の八幡宮に奉納したもので(「大般若経」巻一・巻一〇奥書)、その後石田三成の手に渡り、高野山に奉納された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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