精選版 日本国語大辞典 「奥院」の意味・読み・例文・類語
おく‐の‐いん‥ヰン【奥院】
- 〘 名詞 〙
- ① 寺院で、本堂より奥の高い場所などにあって、秘仏や開山、祖師などの像などを安置してある所。
- [初出の実例]「高野のおくの院の橋の上にて」(出典:山家集(12C後)下)
- ② 最も奥まっている所のたとえ。
- [初出の実例]「まだ行燈を置ざれば、奥の院(イン)は常闇(とこやみ)也」(出典:読本・南総里見八犬伝(1814‐42)四)
- ③ ( 江戸下谷龍泉寺町の正灯寺を本堂と見てその奥の方にある所の意で ) 吉原をいう。
- [初出の実例]「奥の院階子でのぼる正燈寺」(出典:雑俳・川傍柳(1780‐83)一)
- ④ 女陰をいう。
- [初出の実例]「洗足でかすかにおがむ奥のゐん」(出典:雑俳・柳多留‐四〇(1807))