妙佶(読み)みょうきつ

朝日日本歴史人物事典 「妙佶」の解説

妙佶

生年生没年不詳
鎌倉末・南北朝時代の禅僧高峰顕日門人で夢窓疎石と同門であった。仏光派に属する。京都一条戻橋村雲の大休寺の開山とも伝えられている。大休寺殿は足利直義の法号になったことでも知られるように,直義の帰依がきわめて厚かったといわれ,妙佶は直義にきわめて近い僧侶であった。『園太暦』の貞和5/正平4(1349)年閏6月2,4日の文面に妙佶が直義の厚い信仰を背景に,権勢を振るっていたと記されている。妙佶について生き生きと描いているのは『太平記』である。同書によれば,妙佶は高師直兄弟を直義に讒言して,観応擾乱の原因を作ったと述べている。この関係ゆえに,妙佶も直義の死とともに没落したものと思われる。<参考文献>玉村竹二「足利直義の禅宗信仰の性格」(『日本禅宗史論集』)

(伊藤喜良)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

企業の退職を希望する従業員本人に代わって退職に必要な手続きを代行するサービス。依頼者と会社の間に入ることで円滑な退職をサポートするとともに、会社への連絡などを代わりに行うことで依頼者の心理的負担を軽減...

退職代行の用語解説を読む