始て・初て(読み)はじめて

精選版 日本国語大辞典 「始て・初て」の意味・読み・例文・類語

はじめ‐て【始て・初て】

[1] 〘副〙 (動詞「はじめる(始)」の連用形に助詞「て」が付いてできたもの)
① 最初にその状態になることを表わす。あらたに。新しく。最初に。
古事記(712)中「此の王の時、始而(はじめて)陵に人垣を立てたりき」
日葡辞書(1603‐04)「Fajimete(ハジメテ) ヲンメニ カカル」
② いろいろ経過があってその状態になることを表わす。ようやく。やっとのことで。
今昔(1120頃か)三一「竊に語を成して、互に契て、遂に始めて落ぬ」
③ (「はじめてお目にかかります」の意で) 初対面の人に対していう挨拶(あいさつ)ことば
落語三軒長屋(1894)〈四代目橘家円喬〉「御免下さい。イヤ先(ま)づ初めて。貴君が御主人勘右衛門殿で御坐るか」
[2] 〘名〙 最初。初度。
説経節・をくり(御物絵巻)(17C中)六「いぬいのかたのしゅてんつくりへは、はしめての御きゃくらひのよしを申するか」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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