(読み)バイ

デジタル大辞泉 「媒」の意味・読み・例文・類語

ばい【媒】[漢字項目]

常用漢字] [音]バイ(漢) [訓]なこうど
結婚をとりもつ。なこうど。「媒酌良媒
仲立ちをする。「媒介媒体鳥媒花
仲立ちとなるもの。「触媒溶媒霊媒

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「媒」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

[字音] バイ
[字訓] なこうど・なかだち・おとり

[説文解字]

[字形] 形声
声符は某(ぼう)。某はもと曰(えつ)と木とに従い、木の枝に申し文をつけて神に祈り、神に謀ることで、謀の初文。結婚のことを謀るを媒という。〔説文〕十二下に「謀るなり。二姓を合することを謀るなり」という。〔周礼、地官、媒氏、〕に「媒の言たる、謀なり。異を合はせ、和せしむることを謀るなり」とみえる。高は男女を合わせる神であり、また子求めの神であった。おとりに用いる鳥を媒鳥という。

[訓義]
1. なこうど、なかだち。
2. とりもつ、仲介。
3. おとり。
4. 霾(ばい)と通じ、くらい。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕媒 奈加太豆(なかだつ) 〔和名抄〕媒鳥 師、乎度利(をとり) 〔名義抄〕媒 ナカダチ・タハブル・イタミ・オトリ 〔立〕媒 タバカル・ナカダチ・イタム・モチヲトリ・タハブル・マ(ナ)カダチ・ヲケ・ナル

[語系]
媒・muは同声。は高は婦人の懐孕(かいよう)をいう。某系のこれらの字は、みな某の声義をとる。謀miuは広く諮謀の意に用いる。

[熟語]
媒嫗媒翳・媒介媒官・媒・媒媒紅・媒氏・媒・媒酌媒紹媒譖・媒人媒銭・媒鳥媒婆媒媒媒伯媒婦媒娉媒保媒姥媒理
[下接語]
行媒・作媒・自媒・触媒・探媒・虫媒・鳥媒・佞媒・風媒・溶媒・良媒・霊媒・労媒

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【高禖】より

…《漢書》戻太子(れいたいし)伝に求子のために禖宮を立てることがみえ,また民間では,時期を定めて男女を会し,私奔(しほん)を禁じないことが,《周礼(しゆらい)》禖氏にみえる。某は神に祈り謀ることを意味する字で,求子の礼を禖といい,男女を合するを媒という。禖神の起源を,啓母石の信仰や女媧(じよか)伝説にまで遡(さかのぼ)って考える説もあるが,地域的に多様な信仰があったと考えてよい。…

※「媒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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