大学事典 「学生による授業評価」の解説
学生による授業評価
がくせいによるじゅぎょうひょうか
授業改善に向けた受講生向けのアンケート調査のことを指す。アメリカ合衆国の諸大学では1970年代から普及し始めたが,日本では,早い段階の国際基督教大学(ICU)や東海大学でも1990年前後から本格導入され,比較的歴史が浅い。しかし,FD(ファカルティ・ディベロップメント)の義務化の影響もあって,今日では全国の大学の9割以上で実施されている。十数項目程度をマークシート用紙に回答する形式が最も多いが,自由記述を併用するものやウェブ上で回答を入力する形式もあり,大学により多様である。たとえば山形大学のように個々の授業の集計結果を大々的に公表しているところもあるが,多くは教員へのフィードバックや組織としてのFD資料として活用するにとどまっている形が一般的である。なお大学によっては使用目的を授業改善に限定する意図から授業改善アンケートのような名称を用いているところもある一方,岡山大学のように教員の個人評価に積極的に活用している大学もある。
著者: 橋本勝
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報