宅磨為遠(読み)たくまためとお

精選版 日本国語大辞典 「宅磨為遠」の意味・読み・例文・類語

たくま‐ためとお【宅磨為遠】

平安末期の絵仏師。姓は藤原。豊前守。出家して勝智と号し法印になる。宅磨派の祖。宋画の影響を受け、新様の仏画を描いた。生没年未詳。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「宅磨為遠」の解説

宅磨為遠 たくま-ためとお

?-? 平安時代後期の画家
宅磨派の祖とされる絵仏師で,宅磨勝賀,宅磨為久の父。長承元年(1132)落成の高野山大伝法院の「両界曼荼羅(まんだら)」「十六祖師影」をえがいたとされる。法名は勝智(知)。

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世界大百科事典(旧版)内の宅磨為遠の言及

【宅磨派】より

…託磨,宅間などとも称せられる。おもに鎌倉時代を通じて最大の流派を形成した絵仏師の一派。鎌倉初期の宅磨勝賀を流祖とするが,その父為遠(ためとお)も宅磨を称し,平安時代の12世紀中ごろ,高野山大伝法院を中心に活躍して法印となり勝智と号した。勝賀をはじめとする同派は,従来のいわゆる藤原仏画の鉄線描や岩絵具の厚塗りによる温和な彩色,精緻に施された截金(切金(きりかね))文様などを特色とする優美な尊像表現に対し,宋代仏画様式に倣い肥瘦の強い墨描線の駆使と,それを生かすように薄く塗られた彩色など,独得の画風をうちたてた。…

※「宅磨為遠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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